四十路ゆく道

アラフォー独身女のひとりごと

私の恋愛遍歴 その5

恋愛遍歴編その4の続きです。

その5はかなり長い話になってしまいました。

まとめようと足掻きましたが無理でした…😞

流し読み程度で読んでもらえるとありがたいです💦

28歳 〜元旦那の借金問題が再発〜

離婚から半年後。

この頃は本当に百貨店の仕事が楽しくて、かなりアツい奴でした。

準社員のくせにやりすぎでは?というくらい。

私のチームリーダーは、正社員だけど子育て中の時短社員の方でした。

サブリーダーだった私のことを、かなり頼りにしてくれてたので尚更です。

むしろ好き勝手やらせてもらってたという感じでした。

突然の電話

そんなある日、携帯に見覚えのない番号から着信がありました。

仕事中だったので出れず、折り返しても出ない。

なんとなくですが嫌な予感がしました。

数日後、同じ番号から再度着信があったけど仕事中で出れず。

その着信の直後、売り場の外線が鳴りました。

出ると「〇〇さん(結婚してた時の私の苗字)いますか?」と男性の声。

「私ですが…」

「こちら〇〇という金融会社なんですが、旦那さんと連絡が取れなくて困ってるんですよ。あなた保証人なので、支払いしてもらいたいんですけど。」

「??お話がよくわからないんですが…保証人ってなんのことですか?」

「とぼけてんじゃねーよ!」と、いきなり電話越しに怒鳴られた。

一気に体温が下がり、電話を持つ手が震えた。

「だから旦那の借金の保証人になってんだよ!知らなくても返済の義務はあるんだからちゃんと払ってもらわないと困るんだよね〜。今から言う振込先に早急に入金してくださいね。」

「本当に知らないんです…借金っていくら…私本当に保証人になってるんですか?」

声を絞り出して聞いてみる。

「元金は50万だけど、利息と遅延金で65万だよ。振込先言うから控えてくださいね。」

何も言えず、言われるがまま振込先を控えた。

「今週中には払ってくださいよ。払わないと遅延金もどんどん上がっちゃうから。」

そのまま電話を切られた。

何が起きたか理解できず、売り場で放心する。

たまたまこの時は売り場に私一人だけ。

あと1時間で上がり、なんとか正気を取り戻して時間が過ぎるのを待った。

 

仕事が終わってすぐ元旦那に電話をしてみると、「お客様の都合によりお繋ぎすることができません。」のアナウンス。

携帯代払ってないってこと??

元旦那の職場にも電話してみる。

「〇〇さん2ヶ月前に退社してますが…」

一体何が起きてるか理解できなかった。

そのままの旦那と住んでいた家へ向かう。

チャイムを鳴らしても誰も出てこない。

鍵は既に旦那に郵送していたので、入ることもできない。

あと元旦那に関する連絡先…彼の実家の電話番号しかなかった。

離婚する時に挨拶するべきかと悩んだけど、関わりたくなかったので何もしなかった私。

今更連絡するのは気まずい…けどそんな悠長なことを言ってる場合ではない。

旦那の実家に電話してみるとお母さんが出た。

「ご無沙汰しています…〇〇(旦那)と連絡が取れなくておかけしてしまいました。連絡先ご存知ないでしょうか?」

「私たちも連絡が取れなくて心配しているんです。まがりんさん(私)と離婚したとしか聞いてなくて…。何があったんですか?」

本当にどうなっているんだろう。

お母さんは離婚理由すら知らない様子、伝えるべきか迷った。

念の為、旦那と連絡取れてからにした方がいいと判断。

「ごめんなさい。今急いでるのでまた今度お電話します。」と言って強引に電話を切った。

 

家に帰って冷静になる。

旦那と連絡が取れない以上、今はどうすることもできない。

電話をかけてきた金融会社についてネットで調べてみる。

金融会社のホームページは存在しなかったけど、「注意!危険な闇金会社」と言うまとめ記事に名前が出てきた。

ブラックの人に違法な金利、遅延金で貸付をしている会社のようだ。

まさか…キッパリ終わったはずなのに考えたくない。

だけど簡単に予想ができてしまう。

私の名義で借りてたくらいだから、もう借金することができなくて闇金に手を出したんだろう。

しかも勝手に私を保証人にして。

これは本当に私が払わないといけないんだろうか。

私の職場は知られているようだし、どうしたらいいの??

またあの怖い電話が来たらと思うと、旦那の情けなさと不安で泣けてくる。

65万なんて大金持ってない。

本当に勘弁してほしい。

不安で寝れなかった。

 

職場への圧力

それから毎日のように職場に闇金から電話が来るようになった。

私が出ると「早く返せよ!どうなってんだよ!」と怒鳴って切られる。

幸い私以外の人が出た時は、個人名を名乗り「折り返しかけるよう伝えてください。」とだけ。

旦那との本当の離婚理由は後輩にしか伝えてないまま、周囲には相変わらず「金銭感覚の違い」とだけ言っていた私。

さすがに周囲も不審に思って「大丈夫?」と聞かれる。

全然大丈夫じゃないけど、「すみません。何でもないんです。」と誤魔化していた。

職場の電話番号を知ってるってことは、いつか売り場に取り立てに来ちゃうのかな…。

想像するだけで怖くて眠れない日々を過ごす。

弁護士とか、誰かに相談しないとダメだ。

次の休みは3日後、電話で弁護士に相談してみよう。

 

動かない体

弁護士に相談しようと決めた翌日、通常通り出勤しようと家を出た。

職場の駅のロータリーを歩いていたら、急に立ちくらみがして思わずしゃがみ込んでしまった。

近くにあったバス停のベンチに座って、呼吸を整えていたらなぜか涙も出てきた。

貧血かな?と思って少し休むことにする。

駅まで来たけど体調が急に悪くなって動けない、少し休んで様子を見るので遅刻する。と職場に連絡をした。

30分ほどしたら、涙も止まって落ち着いた。

もう大丈夫と思って、職場に向かおうと立ち上がる。

あと少しで従業員入口…

そこまでは普通だったのに、近づくにつれて動悸が激しくなってまた涙も出てきた。

なんか体がおかしい…さすがに不安になった。

今日はお休みさせてもらって、このまま病院に行こう。

職場に再度連絡をして、近所の病院へ行ったけど体には異常なし。

涙が出ると伝えたら、心療内科を紹介された。

精神的なものってこと??

嫌だったけど明日も同じ症状が起きたら、さらに職場に迷惑をかけてしまう。

そのまま紹介された心療内科へ向かった。

初めての心療内科

症状を話すと、「極度のストレスで、体と感情がうまくコントロールできない状態になってる」とのこと。

職場に行こうとすると涙が出ると伝えたら「職場でのストレスかもしれませんね。」と言われた。

職場でストレスは感じてないつもりだけど、考えられる原因は闇金の電話しかない。

売り場の電話が鳴る度にビクビクしているのは事実、周囲の目も気になる日々。

先生は「できるなら少しの期間お休みをして、様子を見たほうがいい。」と。

時期は6月、お中元や父の日などの色々なイベントを控えている今。

お休みするなんて考えられない。

でも出勤できないんじゃどうしようもない。

離婚事情は話してないけど、信頼していた上司に相談してみることにした。

40代の上司は男性で、私を準社員に推薦してくれた方。

ワンマンで強引なところはあるけど、仕事面ではかなり尊敬していた人です。

直接電話して、離婚の原因から全ての事情を話す。

上司は「売り場のことは一切心配いらないから、お医者さんの言うとおり今は休むべき。知り合いの弁護士を紹介するから電話してみなさい。周りにはうまく言っておくから気にしないで、解決したらまた連絡をしてほしい。」と言ってくれた。

とりあえず1週間仕事を休むことが決まりました。

弁護士に相談

家に帰り、上司の紹介してくれた弁護士さんへ早速電話した。

最初の電話相談は無料で対応してくれるとのことだったので、安心して全て話す。

上司の知り合いなこともあって、とても親切に色々と教えてくれた。

勝手に保証人にされていたことは「無権代理」と言って、支払い義務はない。

闇金に契約書の写しをもらって、旦那に内容証明郵便を送るなどの手続きを取るべきこと。

自分自身で手続きすることもできるけど、不安なら通常より割引価格で対応してくれるとのこと。

自身で手続きすればほぼ無料だけど、怖い闇金相手に話をするのは精神的に無理だった。

旦那の行方もわからないし、頑張れる気力もない。

費用は通常10万弱だけど半額の5万円で全てやってくれるとのことだったので、そのままお任せすることにした。

電話を切ると、気分は少し落ち着いた。

旦那に対して、情けなさや悲しさを通り越して怒りが湧いてきた。

勢い余って電話をかけてみたら「お客様のおかけになった番号は現在使われておりません。」とアナウンスが変わっていた。

代金が支払えなくてついに解約されたのか…ため息しか出なかった。

 

5日後、弁護士さんから連絡が来た。

闇金会社なので相手が中々電話に出なくて時間がかかってしまったけど、保証人について無権代理が成立できた。

そもそも違法金利で貸付している闇金だから、契約書の写しを求めても出せるわけがないし、下手したら警察に捕まるリスクがあるからこれ以上は接触してこないはず、とのことでした。

寝れない日々が続いていたので、ほっと一安心。

上司に連絡し、明日以降は出勤ができそうだと伝えた。

たまたま翌日、翌々日が元々休みのシフトだったので、3日後から出勤することが決まった。

迎えた出勤日

当日の体調は万全、ようやく出勤できることが嬉しかった。

トラウマなのか?まだ怖いけど、普通に従業員入口を通過することができてホッとする。

上司は職場の人たちに、私は体調不良で急遽入院することになったと伝えてくれていたみたい。

職場の人たちに会う度に謝罪をしながら売り場へ向かう。

売り場に着く数メートル手前で、急にあの立ちくらみがして動悸が激しくなった。

売り場の電話の受話器が目に入ると、恐怖で足がすくんでしまう。

また涙が出てきて動けない。その場でしゃがみ込んでしまった。

急にしゃがみ込んだ私を見た同僚が駆けつけてくれて、「大丈夫?」と声をかけてくれた。

意識はしっかりあるのに、どうしても立ちあがれない。

頭は真っ白で周りの声もよく聞こえない。

同僚が上司に連絡したらしく、気づいたら上司が車椅子を持ってきて医務室まで運んでくれていた。

医務室のベットで上司の顔をまともに見たら、涙が止まらなくなってしまった。

「本当にすみません。でもどうしても売り場の受話器が怖くて…。」

上司は少し考えて、「とりあえず落ち着こう。もっと休みをとってもいいし、望むなら部署異動だってできるから。」と言ってくれた。

感情が昂り過ぎて、何も答えられない。

上司が「落ち着いたらでいいから必ず連絡をするように。」と言って、そのまま早退させてもらうことになった。

 

家に帰って、これからのことを考えた。

どうしても売り場が怖い。

売り場というより、受話器が怖いんだ。

もう今の売り場では働けない。

他へ異動…?

何もしてないのに、すごく体が疲れていた。

お腹も空かないし、何もする気が起きない。

今どれだけ考えたってきっと何も浮かばないだろう。

前に行った心療内科でもらった睡眠導入剤を飲んで、まだ昼間だけど寝ることにした。

一つの決意

目覚めたのは夜中。

頭はスッキリしている。

目覚めた時から私の中で一つの決断ができていた。

前回出勤できなかった時から、頭の片隅でずっと考えていたこと。

仕事辞めよう。

今の仕事内容は、本当に大好きでやりがいもある。

でも、これ以上迷惑をかけることはできない。

中途半端に休むより、欠員の方が補充はスムーズに行われる会社だ。

お金は不安だけど、次の仕事が決まるまでくらいの貯金はある。

百貨店は女性が多い職場、しかも中年の女性が多く皆噂話が好きだ。

周りは表面上優しくしてくれてるけど、本当は変な電話や急な体調不良で不安定な私のことが噂になっていてもおかしくない。

そんな中、部署異動したところでうまくやっていける自信もない。

目をかけてくれてた上司には本当に申し訳ないけど、復帰できる気は一切しなかった。

 

翌朝、早速上司に電話をした。

上司は驚いて引き留めてくれたけど、最終的に私が決めたことならと承諾してくれた。

有休があるから退職は7月中旬、一応ボーナス支給日も在籍になるように計らってくれた。

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、その時はお店のある駅に近づくことすら嫌になっていた私。

書類や私物は郵送してもらうことになり、この電話で私の百貨店人生はあっけなく終わった。

 

時間はまだ朝の9時過ぎ。

この1年間散々泣いたからか、涙はもう出なかった。

頭の中はまだ色んな感情でいっぱいだけど、気づいたら無意識に冷蔵庫からビールを取り出していた。

あっけなく終わってしまった、大好きだった仕事。

今日はとことん飲もう。

飲んで忘れて、次の仕事を探さなきゃ。

幸い上司のおかげでボーナスも出るから当面は大丈夫。

ここ数週間で急におかしくなった体調も、今は元通りになった気がする。

何も食べていない体にビールを流し込む。

眠くなったら寝ればいい。

もう自由だ。

旦那のことは腹も立つし気がかりではあるけど、さすがにこれ以上の問題はないよね。

逆にこれ以上迷惑をかけれる人なんて、ある意味すごい。

人ってどうでも良くなると、自然と他人事のように捉えられるようになるんです。

また仕事を探して、再スタートしなくては。

まだまだ28歳、人生はこれからなはず。

もうこれ以上辛いことはきっとない。

大丈夫、頑張れる。

気持ちを切り替えて、退職日まではのんびり過ごすことにしました。